「死」に誘惑される若者達へ

「死」に誘惑される若者達へ

あなたは、これまでの人生で死んでしまいたい程苦しい時、生と死について真剣に考えたことがあるだろうか?

私は、最近、これほど生死という重いテーマについていろいろ考えさせられ、読み応えのある本に出会ったことがない。
それは、某男性が、自身の自殺未遂事件に端を発して書かれた自費出版の本で、タイトルは”光と影のはざまで”。一般の書店にはない。

地方紙での本書紹介の一部抜粋
・・・ 主人公の上杉良平は、大学進学のため上京したが、1年以上も無断で休学・・・勉強も仕事もしていない不安定な自分を認識しつつも、その状態から抜け出せないままでいる。
精神的に不安定になりながらも、ある面では自分を冷静に見つめ、あらがおうとする主人公は、生の矛盾に悩み苦しみながら、やがては
    破滅の道をたどってしまう。 ・・・・

主人公は、聖書の教え、屍体管理のアルバイト体験、周囲の人との対話・・等を手掛かりに、生と死の意味を追求するが、結局は『人生は悪なり。
ゆえに生の抹殺こそ唯一の善なり』として自殺しようとするが、想定外の殺人を犯し、死刑判決を受け処刑される。
 後半のあらましを話すと、自殺用の拳銃を奪おうともみ合いになった警官を偶発的に射殺してしまった主人公(上杉)は、なぜか母が入院する病院へ向かう。

深夜就寝中の母に無言の別れを告げると、一発の弾丸が母の胸を完璧に射抜いた。次に、銃口を上杉自身の眉間に当て引金を引こうとしたその時だ、突入してきた警官に現行犯逮捕される。この後の公判では上杉は弁護士をつけず、自ら不利な証言をして早期に結審、死刑判決となった。
  
 一読してまず感じたことは、主人公の22歳という若さだ! 社会経験は無いに等しい。こんな未熟な青年に人生の何がわかるというのか?

私もちょうど同じ年頃の時、何もかもが虚しくなり絶望の淵にたたずみ生と死の意味を問うても、負のスパイラルにどんどん巻き込まれて行き、そこからなかなか抜け出せない経験をした。辛い苦しみから逃れようとして、「死」というか「自殺」を正当化ひいては美化したがるのである。
若い時にこういう問題について考えたり、本を読むことは決して無駄ではなく、むしろ有益でさえある。

 問題は、”一線を越えてしまうかどうか” ということだ!!
現実に越えてしまった本人にとっては、永遠の『善』=『幸』(?)を得られるかもしれないが、遺された人たちは、一生悲しみを抱いて生きて行くことになる。

いかに無知で自分本位の危険な暴挙であるかを、本人がわからなければ、周りの人が教え諭してあげる必要がある。
 一方、越えずに踏みとどまった人(私もそうだが)は、もはや生きる道しかないことを悟る。

「死」に向かっていた【⬅️】ベクトルが、反転して【➡️】「生」に向かうことになる。あとはいかに生きるかだ。

救いようのない苦境が押し寄せてきた時、あの地獄のような苦しみの中で生死について考えもがき苦しんだ経験が、どれほど大きな救いになるかに気づくだろう!

しかし、このかけがえのない体験を得られるのは、経緯がどうあれ ー「生きる」選択をしたー からに他ならない。

ー「死」を選択したーアナタは、世界中で人類史上唯一あなたしか創造できない「人生」という作品を産み出すチャンスを自ら放棄して、この地上から去ったのだ!!

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