チェルノブイリの少年たち
チェルノブイリの少年たち
”チェルノブイリの少年たち”というコミックを読んだ。
私はこの本を読み終えた時、しばらく立ち上がれなかった。
原発事故により、子供を中心に数え切れない程の人が亡くなった。
国家が関与する問題だけに、国に都合悪いことはひたすら隠蔽する。
病院やメディアに圧力をかける情報操作だ。
しかも、あまりに恐ろしい悲惨な現実を前に、被災者やその家族は声もあげられない。
被災者に何の責任もないのに、この悲しみ・怒りをぶつける所がない。
そして誰も責任を取らないのだ。
不条理の極致といえる。
実話のモデルとなった4人家族。
発電所職員の父親は死に、あどけない息子と娘は強制的に母親から引き離され、
しかも別々の病院に収容されて悲劇的な最期をとげる。
娘は看護婦に
「お兄ちゃんに会えたら、私は元気だっていってね・・死んだって言わないでね・・約束し・・て・・」
と、生き絶える。
その一週間後、今度は兄が
「ありがとう母さん・・ねえ・・母さんに頬ずりしたいよ・・。
イネッサ(妹の名)・・お前を抱きしめたい・・こんな気持ちは初めてだ・・・」
とあふれる涙を流しながら、心の叫びを発して息を引き取った。
現実にあったこの悲劇を決して忘れてはならない。
未来に向けて、新しい世代に向けてしっかりと伝えていくことが私たちのミッションだと肝に銘じたい。