なぜ私が中島みゆきというアーティストに惹かれるのか?
なぜ私が中島みゆきというアーティストに惹かれるのか?
「この人」と自分が同じ時代を生きていることに、何か不思議な縁を感じる
・・・と感じる「この人」が、あなたにはいるだろうか?
私にはいる。 その人の名は・・・
中 島 み ゆ き
私にとって”中島みゆき”とは、目標としたいアーティストだ!!
彼女は、世によく言われるアーティストとまるっきり違う。
単なる歌手でもない、作詞家でもない、作曲家でもない、役者でもない、プローサーでもない、
詩人でもない、哲学者でもない・・・全てをひっくるめた、あらゆる才能を持った、マルチアーティストみたいな人。
では、彼女の歌は、なぜ人の心をつかむのか?
それは、その歌唱力と世界観にあると思う。
かつて、私は中島みゆきには全く興味がなかったし、彼女がシンガーソングライターであることすら知らなかった。
『夜会』や「縁会」にも、またコンサートにも行ったことがない。今でもCDやDVDを少しばかり鑑賞し・
みゆきに関する本を数冊読んだくらいだ。ただ好きな歌は、頻繁に聴いている。
ほんの数年前、「愛だけを残せ」という一曲を聞いたことが、中島みゆきの探究の旅の始まりとなった。
この曲を聴いたときに感じた・・
”こんなにもあからさまに、自分の想いの叫びを歌にするようなシンガーがいたのか!!・・・しかも女性で!”
20代、30代の頃なら何とも思わなかったろう。
しかし、人生のなかばを越えいくつもの挫折を経てきた私には、一つひとつの重みのある”ことば”と、
地上の女神かと思いたくなるような品格と威厳のある声に、”こころ”が揺さぶられた。
彼女の他の曲を聴いてみてもわかるが、
歌によって声色を変えたり、が鳴り声やこぶしを回したり、悲痛な泣き声になったり、子供のような幼な声になったり、
そして時には、地鳴りのような雄叫びを発したり・・・
歌によりまたその場の状況に応じて声や音調を変えることができるのは、
本人自らが詞を作り作曲しているからだとしても、誰でもできる芸当ではない。
”凄い歌い方をするんだなあ!”
ことばだけでは表現できないものを、歌うことで表現しようと試みていることが伝わってくる。
私は、彼女のインパクトのある歌唱力に引きずりこまれていった。
ユーチューブから彼女の他の曲も聴きまくった。
確かにうわさどおり難解なものも多く、それだけに奥が深く、ミステリアスでもある。
しかし、どの曲にも一貫して流れている価値観というか世界観があることに気づく。
そこには、”人間”という普遍的なテーマがあって、
人の愚かさと尊厳、醜さと気高さ・・・
を突き放した仙人のような達観した眼と深い情愛を持った母性の眼の両眼でとらえるという彼女の視点は、
誰も真似できない、持って生まれた才能というべきか!
中島みゆきの歌は、生きることのそして人間の叫び、祈り、鎮魂歌そのものだ。
世代を超えて、とりわけ心に傷を負った人たちをこれ程までに魅了し続けるのはなぜか?
曲の主人公のほとんどが、失恋者、敗北者、時代の落伍者、放浪者等々・・であるのに、
なぜかパワーというかエネルギーの鼓動、ほとばしりを感じるのは私だけではないだろう。
その背景にあるもの・・・彼女の世界観の核となるもの
そのキーワードは
ー 喪 失 ー
「時代」「世情」「エレーン」「PAIN」「命の別名」「地上の星」・・・
一部の曲を挙げただけでも、そこには愛の喪失、人間関係の喪失、故郷の喪失・・という
かけがえのないものの喪失(欠落)感が意識され、宿命的な孤独・不条理に病む
人間の姿が描かれている。
中島みゆきは”神”なのか?と思いたくなることがある。というのも、
生きるとは?女とは?男とは?愛とは?死とは?社会とは?歴史とは?・・・
様々な哲学的問題について、私たちに問いかけをしてくる。時には、女神のように指針を提示することも・・。
「ファイト!」「サーモンダンス」「誕生」「宙船」「命のリレー」
どの曲も、その原点に喪失・ニヒリズムがあるにしても、
必死で生きようとする人間のいとおしさを見つめながら、
力強く指揮リードする闘う女神=みゆきの姿がある。
あたかも、あらゆる真理について知り尽くしているかのようだ。
また、彼女は、かなり感受性が強く、言葉に対する意識が鋭く、見方考え方のアングルが独特で、
裏に隠れていて気付かなかった真理を私たちの目の前に引きずり出し、
ハッ!とさせられることが多い。
たとえば、「重き荷を負いて」「二隻の舟」では、みゆきは次のようなメッセージを
発信しているのではないか(私の独断と偏見ではあるが)
不条理・矛盾に満ちたこの人生、世の中を、ありのままに受け入れなさい。
大丈夫!! それでも人は、”希望”と”愛”の2つの力があれば、たくましく生きていけるのだから。
さて・・・彼女は
けっして大衆に迎合することなく自分の永遠のテーマに挑み続けているだけなのに、
産み出された作品は時空を超えて、ことに生きることの不条理に苦悩する人々の''共感を呼び、
いやしと感動、生きる力''を与えてくれる。
まさに、アーティストの理想の姿を実現している!
その比類なき才能と哲学的世界観を持った中島みゆきは、世界的にそして歴史的にも類い稀なアーティストだと思う。
君は、この偉大なる一人の人間=アーティストを目指したいと思わないか!
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